刺 繍
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1981〜1985

デンマークのクロスステッチ

 デンマークのクロスステッチに初めて出会ったのは今からおおよそ28年ほど前の事である。
 デパートの手芸品売り場の一隅でだったと思う。 その売り場に展示されている数点の、デンマークの風景や花などが刺繍されている作品を見て、その図案と色彩の素晴らしさに感動しすっかり魅せられてしまった。
 丁度その頃は子育ての最中でのんびり刺繍などやりたくても出来る状態ではなかった。 4〜5年はデンマークから新しく出版されて来る刺繍の本を購入してはひたすら眺めて楽しんでいた。
 やがて子育てから開放される時がくるや否や、早速デンマークにあるその手芸品の会社に先ず  パンフレットを送ってもらい、それが届くと品番で気に入った刺繍の材料を注文して取り寄せた。  そして毎日取り憑かれたように刺すのに没頭した。 この上ない至福の一刻である。 これこそ私の世界だ、と思えるほど刺す楽しさと素敵に完成していく作品を眺めるよろこびに充たされた。
 15年ほど前に友人に誘われてそれらの作品を40点ほど出品して作品展を開いた思い出もある。 とても好評を得て、作品を、急がないから、といって注文される方もおられたが、とても量産出来る代物ではないため、お断りした。 たまに、ごく親しい方には結婚や誕生祝いに小品を作ってプレゼントすることはある。


43cmx55cm

麻布
1cm-12目

25番刺繍糸
2本どり

製作期間−4ヶ月


第一作目の作品。
布地二目方眼で刺すため、一目でも間違えると全体がずれて来る。、例え一目たりとも間違いは許されない。
 この作品は一作目で慣れないため間違えてばかりいて、行きつ戻りつ、糸を解いてはやり直ししている時間の方が多かったように思う。
 それにしても糸がよく耐えたことだ。
丈夫な糸である。
42cmX52cm

麻布
1cm−12目

25番刺繍糸
2本どり


製作期間−4ヶ月


 ゴールドのティーポットに差されている黒い実はヒマラヤ杉のような針葉樹の木の実ではないだろうか。
 赤い実は、日本の千両のような種類の植物であろうと思われる。
 赤いハートも全体をおしゃれな感じに引き立てている。
北欧人の繊細な色彩感覚には感動させられる。
40cmX50cm

麻布
1cm−12目

25番刺繍糸、2本どり

製作期間−2ヶ月

 これは、ヤドリギ。
デンマークでは、クリスマスが近づくとポーチの天井からこのヤドリギをぶら下げる。 そして、その下でだったら、誰とでもキスをしてもいい、と云う風習があるらしい。
 これは、ご近所に在住の、T大学農学部元教授のご子息が、デンマーク人の女性と結婚されたため、毎年夏には避暑を兼ね農業の研究にデンマークに行かれるという、その元教授のF氏に聞いた話。
43cmx54cm

麻布
1cm-12目

・25番刺繍糸、2本どり


製作期間−4ヶ月


 赤がねのケトルにポインセチア、赤い実はバラの実であろうか、グリーンの葉、と正にクリスマスカラーである。


 ちなみに、刺繍を始める時は図案に対角線をひきその線が交わった中心から刺しはじめて行く。
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